DIALOGUE 対談

医療福祉人材業界のリーディングカンパニー”株式会社トライト”様の上場ストーリー

エスネットワークスが約4年半支援してきた株式会社トライトが、2023年7月に東京証券取引所グロース市場に上場を果たしました。今回の対談では、
トライト社のCFOである井上卓暁氏に上場までの道のりを振り返っていただくとともに、CFOを目指す方への熱いメッセージをいただきました。

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飛躍的な成長を実現した”Organization Change” オーナー経営から組織経営、そしてパブリックカンパニーへの変革
小嶋

まずはトライト様の現在に至るまでの歴史と事業概要について教えていただけますでしょうか。

井上氏

弊社は2004年に創業以来、医療福祉業界の社会的なニーズの高まりの中で、仕組化された営業組織体制を強みとして飛躍的な成長を重ね、2018年に新たな株主への事業承継、2019年に新たな経営体制への移行を経て、2023年7月に上場いたしました。エスネットワークスさんには2018年の事業承継以降、上場に至るまでの4年6か月の間、継続的にご支援していただきました。 弊社の現状の主力サービスは介護士、看護師、保育士等の人材紹介事業になりますが、それ以外にもICTソリューションを駆使した医療福祉従事者の方々の負担軽減や業務の効率化に資するサービスをご提案しています。

小嶋

新しい経営体制で上場を目指す中で苦労した点はございましたか。

井上氏

私は事業承継から1年程経過した後にCFOとして参画しましたが、当時の状況としては飛躍的な事業成長と比例して管理業務量が増加し続ける構造の中で、効率的な経営体制と上場会社水準の管理体制を両立させる業務設計を如何に速やかに完了できるか、という点が経営テーマとなっていました。 一方、新しい経営体制がスタートした直後であり、人的リソースが十分でない中、既存の経営インフラを支える日常業務と将来のシステムデザインの両輪を同時並行で対処していかなければならない点が課題となっていました。このような状況の中で、エスネットワークスさんがフルに常駐し既存の経営インフラを維持頂いている間に、弊社管理部門社員の採用を急ピッチで進め、入社した弊社社員が新システムの導入や社内の仕組みづくりに集中するという役割分担で課題対処を進めました。結果として、新システムでの経営管理への移行を完了することができ、効率的な経営体制を維持しながら上場企業に資する管理レベルの構築を実現できたと考えています。


人材会社から医療福祉業界のリーディングカンパニーへの変革
小嶋

今後のトライト様が目指される姿を教えてください。

井上氏

弊社は医療福祉業界を中心としたエッセンシャル産業が抱える課題の解決に挑んでいきたいと考えています。現在はDX・ICTを活用した新規事業に積極的に取り組んでおり、これまで培った人材サービスでの経験・データ・ネットワークにデジタルソリューションを加えることで、医療福祉従事者が働きやすい職場環境の構築を支援し、業界全体を支えるソリューションを提供できる企業へと進化し続けたいと考えています。そして今後の日本を支える医療福祉業界の安定的な発展に貢献することで、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指しています。



医療福祉業界の未来を変革する”Best Owner“としての横顔
小嶋

近年、積極的にM&Aに取り組まれていますがその狙いはどのようなところにあるのでしょうか。

井上氏

先ほど申し上げたとおり、弊社は医療福祉従事者が働きやすい職場環境の構築を支援するソリューションを提供できる企業への進化を加速していきたいと考えており、そのためには自前での成長だけに拘るよりも、積極的なM&A等が有効な選択肢であると考えています。 弊社はここ数年で同業種のみならずDX・ICT領域の企業も含めて3件のM&Aを実行してきましたが、引き続き今後もM&Aを通じて志を同じくする企業とタッグを組み、パーパスを実現していきたいと考えています。 そしてこのようなM&Aを実行できるようになったのは、新しい経営体制の下で構築した多様性に富んだ組織力によるものだと考えていますし、M&A後のPMIについてもエスネットワークスさんにご支援頂いたことに感謝しております。


トライト                  トライト

企業を変革するCFOになるために必要な”Back Cast”と”Self-development“
小嶋

突然ですが、井上CFOのこれまでのキャリアについて教えていただけますでしょうか。

井上氏

私のファーストキャリアは事業会社の経理部でスタートし、その後日系グローバル企業での北米駐在や米系グローバル企業での経験を経て、別の米系グローバル企業にて初めてCFOという役割を担い、現在のCFOキャリアは2社目になります。 一定程度の経理実務経験を積んだ28才頃、1度目の転職直後に当時の上司であったCFOと仕事をご一緒し、決算書作成や経理処理をしていた当時の自分の延長線では想像もできないその職責のダイナミックさと経営に対する影響力の大きさを感じたのがきっかけでCFOを志すようになりました。 そこからは、USCPA(米国公認会計士)やMBA、語学力など、自分に足りないパーツを見つけてはそれを埋めるために学ぶというステップを繰り返しながら、10年かけてCFO職に辿り着きました。その後も理想のCFO像の追求をしながら今に至りますが、私のこれまでのキャリアを形作った本質的に重要なポイントは、CFOという職責を具体的にイメージできる出会いがあり、それによってCFOになることを目指したことだったと振り返っています。

小嶋

最後にこれからCFOを目指す方々に向けて一言メッセージをお願いします。

井上氏

「自分に投資しよう」ということを伝えたいです。金銭的な面でも時間的な面でも自分に投資することが必要です。気づいたらCFOになっていたという奇跡は起こらないので、目標を定めて努力することは必須だと思います。例えばMBAの勉強をするとしても、費用は数百万円以上かかるでしょうし、それに費やす時間も多大になると思いますが、このような目先の投資を惜しまず未来に投資していくことで将来のより大きなリターンを得ていくという発想がとても重要だと思いますし、自分自身が一番確実な投資先なのではないかと思います。ぜひ頑張って皆様が望む未来を手に入れて欲しいですね。


トライト                  トライト

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)