クライアントの目 TSUCHIYA TRADING VIETNAM CO., LTD. General Manager 秋山裕介氏クライアントの目 TSUCHIYA TRADING VIETNAM CO., LTD. General Manager 秋山裕介氏

エスネットワークスではコンサルタントがお客さまの現場に常駐し、会計や財務領域を中心とした実務実行支援を行うハンズオン・コンサルティングのパイオニアとして、多様な業種のお客さまへサービスを提供してまいりました。本稿では主に国内案件についてご紹介させていただいておりますが、今号では当社グループが海外拠点において展開している事例といたしまして、ベトナムの首都、ハノイ市で経理業務等を支援させていただいているお客さまをご紹介いたします。担当コンサルタントが率直なご意見を伺いました。

ご協力いただいたのは、TSUCHIYATRADINGVIETNAMCO.,LTD.のGeneralManager秋山裕介氏です。同社の日本法人は愛知県名古屋市に本拠地を置き、塗料製造を祖業として、その後自動車や建材関連事業に参入。化成品総合商社として北米や欧州、アジア圏に拠点を展開するグローバル企業です。ベトナムにおける槌屋グループの橋頭堡として、同社は2014年に駐在員事務所としてベトナムはハノイ市に開所し、翌2015年には現地法人化されました。では、ESNETWORKSVIETNAMCO.,LTD.ハノイ支店長のゴードウックホアンがインタビューします。

メーカーとして、商社として

Q. まずは御社の事業をご紹介いただけますか?

秋山氏
当社は、槌屋グループ各社の製品をベトナムへ輸入し卸販売するとともに、ベトナム国内で生産された部材を日本をはじめとした各国に輸出しています。自動車業界や、OAプリンター業界、それに加えて家電・建築資材をはじめとした製造業界等の多様な業種のお客さまがいらっしゃいます。そうしたお客さまに必要な資材を販売してお役立ていただいています。その他に、東南アジア圏内でいいますと、グループで製造部門を擁しており、近隣諸国においては自動車にかかる印刷商品、ベトナムにおいては家庭用気密材といわれる窓用の気密を保つための繊維織物やOAプリンターの中の機構部品を製造しています。当社の陣容としましては、従業員は私を含め計3名の体制です。今後は現地のセールス担当者の採用を考えており、ゆくゆくは4名体制へ移行することを検討しております。

Q. 御社の強みを教えてください。

秋山氏
当社の親会社でもあります株式会社槌屋の強みは、メーカー機能をも有する商社であることです。これは稀有の存在であると思っており、メーカーとしてグループ内にある商品は自ら製造してそれをお客さまに喜んでいただけるように供給し、逆に無いものは商社として探し出し、或いは研究開発して自ら創り出すことで商品をお客さまのもとへお届けしています。このメーカーとしての側面と商社としての側面を、それぞれ当地ベトナムでも有為に展開するべく奮闘しています。ベトナム国内においては、もともとOAプリンター業界関連の仕事が中心で、祖業でもありました。ただ今後は、ベトナム経済の発展や生活水準の向上とともに、バイクに替わる自動車の一層の普及や、住宅の新規着工増加が容易に想像されます。勿論、都市開発の進展も然りで、様々な商機が増えることでしょう。日本で当社グループが確立している事業の柱をベトナムにも建てたいと思っています。これは私に課せられた使命なんだと思っています(笑)。

Q. 海外駐在の経験は初めてでしたか?

秋山氏
これまで中国や台湾へ海外出張する機会はありましたが、海外駐在はこれが初めてです。そもそもベトナムという国を詳しく知らずに着任したわけですけれども、この街全体に横溢する活気やエネルギーには非常に驚かされましたね。当社のGeneral Managerとしては、初代がこの駐在員事務所を立ち上げた者、そして2代目が現地法人化の際に着任した前任者で、私は3代目なんです。私は着任してちょうど1年になるんですが、多分私の性格上どこの地に行っても精神的にも生活ぶりとしても変わらず、同じテンションで仕事ができるだろうという部分を評価されたがゆえにここにいるんだと思います。

Q. 時間の経ち方はやはりベトナムに来られてからの方が早く感じられますか?

秋山氏
おっしゃるとおりで時間が経つのはこんなに早いものかと日々思わされています。もう着任して一定の期間が経っていますから、当然こちらの生活には慣れているし、食事も色々と食べましたし、だんだんとある種のベトナム経験値は増えているんですけれども、比例してビジネスの規模と精度をどんどん高みに到達させていかないといけないと思っています。毎日、楽しいですよ、刺激的といいますか。だからこそあっという間に感じるんでしょうね。

Q. 弊社のサービスを選んでいただいた経緯を伺えますか?

秋山氏
当社がまだ駐在員事務所だった頃の初代責任者から聞いていたことですが、現地法人化するにあたり御社と契約の締結にまだ至っていない段階で、利害関係なく親身になって相談してくださったことに感銘を受けたことから、選定させていただいた経緯があります。単純なQA対応ではなく、当社にとってよりメリットのある方法は何なのか、最大限に効果を発揮する手法には何があるのか。こうしたプロアクティヴな対応をしていただき、加えて同じオフィスビル内にいらっしゃることからフロアを移動するだけで相談できるという心強さが決め手だったようです。実際お付き合いをさせていただく中で、従業員同士のコミュニケーションも非常に良くさせていただき、金曜日のハッピーアワーには一緒に歓談をしながら仕事以外の話もできるような、物理的な距離だけではなく心理的にも近いところにいてくださっていると感じています。


ベトナムへの扉を開けてくれた

Q. コンサルタントと始めて会った印象はいかがでしたか?

秋山氏
私は2017年5月29日に着任しまして、ホアンさんにはその翌日にお会いしました。前任者からの引き継ぎで名刺交換させていただいて、確かその5月29日は月曜日だったと記憶していますが、実はもう次の週末には、ホアンさんがサッカーの試合があるから行きましょうと早速連れ出してくれて、一緒にグラウンドで汗をかいていました(笑)。当時は当然のことながら、街も全く知らない。そして先にお話ししましたようにベトナムのことを知らないままの着任でしたから、それこそ食べ物だって何を食べていいかわからない。そんな状況の中、外に連れ出してくれたんです。積極的に外に出ないといけないと考えるきっかけを、ホアンさんは実に自然に作ってくれました。恐らくはそのお誘いが無ければ、ただホテルの部屋に臆して篭っていたでしょうし、すんなりと街に溶け込めたのも外出する機会を与えてくれたからだという思いがあり、ホアンさんの印象はとても強いですよ。そう言えばそのサッカーに行く当日、ホアンさんはすぐタクシーで迎えに行くからと言いながら、違うホテルに行っちゃったということがありましたけれども(笑)、それも今ではいい笑い話です。私にとっては、ベトナムにおけるビジネスはさることながら、何ら壁を感じさせることなくベトナム社会そのものへの扉を開けて誘(いざな)ってくれたのがホアンさんです。共通の趣味もありますし、むしろ仕事の時間以上にサッカーでお会いしている時間のほうが長いですね。そうして培われた信頼感があるからこそ、不勉強ゆえに私が人に迂闊に聞けない恥ずかしい質問も安心してできますし、人間的な魅力を持ち合わせた方だなと思っています。


着任早々に青天の霹靂

Q. ありがとうございます。それでは当社の常駐支援サービスを利用していただいたきっかけを伺えますか?

秋山氏
冒頭でお話ししましたとおり、当社は私を含めた3名体制なのですが、私以外の輸出入・貿易業務に携わっていた者と総務・庶務を担当していた者の2名が、ほぼ同時に産休に入ることになったんです。それも私が着任し、右も左も分からないこれからというタイミングで(笑)。着任して幾日も経たないある日のお昼休みに、2人揃って「私たち近々産休に入ります」と告げられ、おめでたい話と思いながら当然驚くとともに当惑しました。昼休みから戻るなりすぐにホアンさんに電話させていただき、その日の夕方には相談に伺いました。そこで即座に提案してくださったのが、御社の常駐支援サービスという形態であり、御社のスタッフの方を弊社に派遣していただいて、2人分の業務を請け負うというものでした。フランクに申せば、その段階では私はそれがどんなサービスなのかイメージが沸かないままでしたが、昨年の11月よりスタッフの方に常駐支援していただき、想像以上の速さで仕事を覚えてくださって今では頼りっぱなしです。実は、日系企業をターゲットとした人材派遣会社はたくさんあるようで、それこそ毎日のように営業が来るんですが、話を聞いてみるとどうも玉石混淆のように感じます。その点御社のサービスで言えば、そもそも一定程度会計に知見のある方が来てくださるので、安心して業務を任せることができ、その分私自身としてはフロント業務に多くのリソースを割ける点で、非常に助かっています。
実は、日系企業をターゲットとした人材派遣会社はたくさんあるようで、もう毎日のように営業が来るんですが、話を聞いてみるとどうも玉石混淆のように感じます。その点御社のサービスで言えば、そもそも一定程度会計に知見のある方が来てくださるので、安心して業務を任せることが出来、その分私自身としてはフロント業務に多くのリソースを注げる点で、非常に助かっています。

Q. 弊社のサービスを利用いただいた感想を率直に伺えますか?

秋山氏
実際のところ、産休の方の代理ということで新規雇用を考えるとなると、着任当初の私の負担は相当なものだったでしょうが、常駐支援サービスを利用することで一定程度の知見のある方とともに
スムーズに業務を展開させることができています。この常駐支援サービスというのは当事者意識をもって取り組んでいただける、利用させていただく側にとってすごく意味のあるサービスだと感じていて、こうしたサービスを求めている会社さんは、実はたくさんいらっしゃるだろうと思っています。実感値としてもそうで、私が雑談として仲間内で常駐支援サービスやその利用に至った経緯を話すと、皆さん異口同音におっしゃるのは「、そんなサービスってあるの」と。そして「その手があるとは知らなかった」と言った反応が、必ず返ってきます。足元の実務では常駐支援サービスを、そしてコンサルティングサービスでは、例えばこの前相談させていただいたベトナムの新しい政令の取り扱いだったり、目まぐるしく法律の解釈変更や制定があったときに、適時的確に情報提供が受けられる。これは慣れない異国でのビジネス展開に邁進する身としては、本当に頼もしいことです。我々だけでは到底知り得ない情報ですし、精通している方だからこそ得られる確かな情報をいち早く教えていただけていますから。

Q. 常駐しているスタッフへの印象はいかがでしょうか?

秋山氏
先にもお話ししましたが、常駐していただいているスタッフは仕事の覚えが速く、且つ業務そのものも迅速的確で、貿易にかかる知識も業務を行いながら着実につけていってくださって、今では見積もりの作成をお願いしたりですとか、時にはお客様のところへ一緒に赴いて、通訳も兼ねながら一緒に仕事を進めるお手伝いをしてくださったりと、八面六臂に活躍しています。また彼女のすごいところは、まだご一緒して短い期間しか経っていないにもかかわらず、私の好みや苦手意識も拾い上げてくれていて、出張を計画したならば、あのホテルはロケーションも含めて私の趣味に合うとか或いはやめたほうがいいとか的確に捉えてくれる(笑)。もちろん業務そのものも自発的に取り組んで、私がお願いしたいことが気づけばもう終わっていることも少なくありません。常駐している顧客のビジネスが限られたリソースで運営されている中で最大限の力が発揮されるよう、あらゆる切り口から当事者意識をもって業務に取り組んでくださっているので、本当に安心感があります。こうした常駐支援サービスは本当に御社の強みだと思います。


より具体的で精度の高い経営を目指して

Q. 今後の事業展望等を最後にお聞かせください。

秋山氏
会社としての目標は、更なる事業拡大です。ベトナム進出時点からトライアンドエラーを繰り返し、残り幾ばくかのピースがうまく噛み合えば、一気に歯車が回るところまでは準備ができてきました。ベトナム文化の理解不足であるとか、経験不足等により躓きがあったものの、経験値が蓄積されることで好転する兆しが見えてきました。当社では、日本の親会社への事業報告資料作成にかかるアドバイスも御社からいただいていますが、成果物の精度を上げるご提案を逐一いただいたことで、結果として当社からホアンさんへの相談事項もより具体的で的を得たものとなっている実感があります。ベトナムでは、従前商社のビジネス展開に制約が多い時代がありましたが、それが徐々に緩和され、外国法人にも活動がしやすくなってきている状況があります。それは反面において競争の激化を生みますが、当社は日本で確立しているビジネスをいち早くベトナムに同じクオリティで持ち込めるアドバンテージがあります。この強みに加え、御社の力を借りながら的確且つ幅広い業界への知見を得ることで、着実に成果を出していきたいと考えていますので、今後も是非宜しくお願いいたします。

こちらこそ宜しくお願いいたします。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。

担当者の横顔

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Ngo Duc Hoang (ゴー ドウック ホアン) ES NETWORKS VIETNAM CO., LTD. Hanoi Branch Office

税務コンサルタントとして、大手自動車メーカーの税務レビュー担当、外資プロジェクト・NGO機関の税務コンサルティング、外資企業の会社設立支援に従事。その後2012年に、株式会社エスネットワークスに入社し、ベトナムの規制調査、進出、税務、内部統制導入、M&Aコンサルティング等のサービスを提供した。2015年より当社ハノイ支店長に就任。MBA取得、日本語能力検定1級。

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