DIALOGUE 対談

クライアント対談|KDDI株式会社|コーポレート業務のDX化  

自社が顧客へ提供する価値(VALUE)に「経営に科学を 組織に熱量を 企業に変革を」を掲げるエスネットワークス。そんなエスネットワークスが企業変革の実現に向けて、現在、プロジェクトに関与させていただいているKDDI株式会社 コーポレートシェアード本部 副本部長 和久 貴志様にお話を伺いました。KDDI社で推進中であるシェアードサービス事業の内容や、今後の方向性についてお話を伺います。

クライアント対談|KDDI株式会社|コーポレート業務のDX化
シェアードサービスとは、そしてシェアードサービスを立ち上げた経緯について
インタビュアー

さっそくですが和久さん、シェアードサービスについて教えていただけますでしょうか。

和久氏

現在、私は経理や給与計算といったコーポレート業務に従事しております。KDDI本体はもちろん、グループ会社でもコーポレート組織はあり、似たようなオペレーション業務を各社がそれぞれ実施しています。そのため、共通する業務については集約することによって業務効率を上げていきたいと考えています。そして、その集約した業務を、本社の組織や新たに会社設立などによって運営していくこと、これをシェアードサービスと呼んでおります。

インタビュアー

そのように業務を集約する流れというのは、今の時代、一般的なのでしょうか。

和久氏

そうですね。様々な会社が業種を問わず、本体設置型・会社設立型、いろいろな形でシェアードサービスに取り組まれていらっしゃいます。我々もグループ会社が増え、取り組んでいかざるを得ない環境になりました。そのためシェアードサービスを導入し、ここまで推進してきた状況です。

クライアント対談|KDDI株式会社|コーポレート業務のDX化
シェアードサービスを推進する上でぶつかった壁とは
インタビュアー

エスネットワークスとはどのような取り組みをされたのでしょうか。

和久氏

シェアードサービスを推進していこうと行動に移すにしても、我々にはどの業務を集約すべきかの知見を持っていない状況からのスタートでした。そこで、KDDIフィロソフィ「行動の原則」の「外を見て内を知る」という考え方にもとづき、すでに運営されていらっしゃる他社のシェアードサービスの取り組みについて積極的に話を伺いに行きました。但し、ある程度の知見を得ることはできたのですが、実現に向けてどのようなプロセスで進めていいのか不安だったので、プロの方々にも話を伺いながら推進していこうと決めました。

オペレーション業務を集約してシェアードを推進するにあたっては、システムと業務の統合が必要だと考えました。システムの選定にあたっては、他社事例もお伺いしながら比較検討して、2019年初めに方針を決めました。
システムの導入は財務会計分野から始めたのですが、グループ会社側の本来あるべき業務プロセスを組み立てる際に壁にぶつかりました。そこでエスネットワークス社に入っていただき、プロセスの組み立てを依頼させていただいたのです。その後、グループ会社のオペレーションのプロセスが確立し、現状の業務フローの可視化を実施。その上で計画したプロセスと比較検討して、何を変えたら良いのかの改善提案を示唆いただきながら推進してきました。

今、経理シェアードの導入はグループ会社30社を超えまして、グループ会社が増えるたびに支援をいただいております。また、今後も増えることを想定して「システム導入キット」という、システム導入の際に必要となる部分をまとめたパッケージを作っていただきました。システム導入にあたって、例えばマスターの作成、移行、業務プロセスのギャップによる運用の変更可否などが毎度必要な項目になることが理由です。これにより、小規模だけでなく中規模のグループ会社でシステム導入が実現できるようになりました。例えば「KCJグループ」という、みなさんご存知のお子さんの職業体験ができる、キッザニアという会社にも既に導入されています。

加藤

実際にエスネットワークスとして、はじめてKDDI社に関与させていただいたのはグループ会社のPMI*案件からでした。その後、グループ会社の増加に伴いKDDI社の中でシェアードサービスを本格的に始動することになり、ご支援の内容が拡大し、今に至ります。シェアードサービスの推進のためにすでに行った支援は、先ほど和久さんもおっしゃっていた「会計ソフトfreee」の導入支援とシステムの統合です。システム統合と一言で言っても一筋縄ではいかないことだらけで、とにかく大変だった記憶が今も鮮明に残っています。

プロジェクトマネージャーとして私は今、案件に関与させていただいていますが、プロジェクトの途中から参画しているので、シェアードサービス立ち上げの際にぶつかった壁など、改めてこのタイミングで教えていただきたいです。

※PMI(Post Merger Integration):M&Aにおける合併や買収後の統合プロセスを指します。

和久氏

シェアードサービス始動時は、我々の業務改善をしていかないといけないという課題からスタートしています。その中で最初に悩んだことは、業務にギャップがあったときにどういった形で先方(グループ会社)にご納得いただくか、ということでした。先述の「本来あるべき業務の姿」と実態とのギャップをどのように双方納得して埋めていくかについてです。

シェアードを導入する目的について、業務を集約して効率化することだけを今はゴールと考えていないのですが、当時はそういう目的を第一に進めていたこともあり、導入に対して抵抗感を持たれた方もいました。その理由は、業務改善を目的にシェアードをすると聞くと「自分の仕事がなくなってしまうのではないか」という危機感を持つ方がいらっしゃったためです。そのような方に説明し、ご理解いただくのに少し時間を要しました。
もう一つの壁は、我々にノウハウがあまりなく、またシェアード導入の専任要員が社内にあまりおりませんでしたので、グループ会社をどんどん増やしていくと、業務だけが増えて、結果的に自分の首を絞めているのではという不安感もあったことです。そのため導入に後ろ向きになるメンバーも出てきたので推進に少し時間を要しました。

クライアント対談|KDDI株式会社|コーポレート業務のDX化
エスネットワークスの役割、価値
インタビュアー

そんな状況でエスネットワークスが参画したと思うのですが、当初の依頼内容について教えていただけますか。

和久氏

「相手の立場に立ち、親身になって全て推進していって欲しい」と、言い方が悪いですけど丸投げの形でお願いしたことはよく覚えています。
シェアードサービスを推進することによって、現状の業務とはやり方であったり、対応する内容が変わってきます。その変わる部分の「裏付け」をグループ会社毎に時系列で分析していただけた、ここがやはり素晴らしいところだと思っております。なぜなら、この後にも出てきますけれども、グループ会社の方々にご納得いただき推進をするためには、裏付けが必要なのです。そこに対してエスネットワークスのコンサルタントの方々は何か意見を言われたら、それぞれに対して一つずつ裏付けを丁寧にご説明いただき、さらに何がどう変わり改善される、という改善後の形を可視化することを得意とされています。そのため、グループ会社で最初はいやいやご対応いただいている方も、変化することに納得感が出てくるようになり、現在では、当たり前のように業務に取り組んでいただいております。よって、シェアードサービスを導入するにあたっては、まず現状がどうなっているのか分析した上で、これがどう良くなるのか、想定される結果をきっちり可視化することが推進のポイントだと感じました。

先述の「KCJグループ」の例をご紹介します。シェアード導入前は、経理業務の全体工数は月に約1,000時間行っていました。それがシェアードで業務集約すると、「KCJグループ」の工数は約700時間に減り、シェアードの工数は約200時間と試算いただきました。その結果、合計で約900時間の業務となり、実質100時間の業務工数が軽減されるという目標を最初に立てていただいたのです。その後は導入結果と試算を比較することが出来るため、本当は100時間減るはずなのに、減っていない具体的原因を見つけ出すことができ、改善に繋げることができます。このようにして他のプロジェクトでも同様に課題をそれぞれの時点で明確にお話いただいて、それに対して打ち手を打っていただいています。

我々は他のコンサルティング会社さまにもご協力をお願いしておりますが、エスネットワークス社には実務も伴走いただき、その上でのご提案なので特に説得力があります。さらに改善に向けた工数削減の数字も見せていただくことで、理想論だけでなく実質的に可視化いただけるので、分かりやすく非常にありがたいと感じております。

インタビュアー

和久さんからお褒めの言葉やコンサルティングスタンスに関するお話がありましたが、吉野さんいかがでしょうか。

吉野

ありがとうございます。エスネットワークスは、これまでコンサルティング会社としては珍しく、口を出すだけではなく、手も出しますというスタイルでずっとやってきました。我々はそれを「実行支援」と呼んでいるのですが、これまで実行支援を通じて顧客の実務に取り組み、経験値を積み重ねてきたからこそ、納得感があるご説明ができていると思っています。

また「実務を知る」だけではなく、精神的な部分でも実行支援をすることを売りにしています。現場のみなさんといっしょに悩み、そして汗をかいて、同じ仕事を一緒にやることで、現場の方と信頼関係を築くことができます。正直、信頼関係がない状態でどんなに正しいことを言っても、頭では理解できても気持ちの面でどうしても受け入れられない、ということは誰しもあると思います。そんな思いを持っていただくことがないように、現場の方との仕事を通じて、信頼関係を築くことが大事だと思っています。頭で業務理解をするのも必要ですが、それと同時に心から「挑戦したい」「改善したい」と思っていただけるような働きかけをしていきたいと思います。

インタビュアー

このプロジェクトに関与して、新たな気づきなどありましたでしょうか。

吉野

KDDI社のシェアードを推進していくことによって、コーポレート業務の理想的な形を築くことができ、自分自身にとっても気付きが多く、良い機会になると思っています。

コンサルタントとして課題を解決することは当たり前に求められることですが、単純に目の前にある課題に対応し続けるのではなく、「本当にあるべきものは何か」というところから逆算して、やるべきことを考え、実行できているのがKDDI社とのプロジェクトです。その一連のプロセスが私にとってもすごく良い機会に、そして貴重な経験になっていると感じます。

インタビュアー

加藤さんはいかがでしょうか。

加藤

吉野が話していたように、私たちは実行支援型のコンサルティングを売りにしています。そこに加えて経営をよりよくしていきたいと考える経営者(=挑戦者)と共に、挑戦者たちとパートナーとなって、相互が成長する場を広げることをVISIONにしています。このような私たちの考えを、一緒に仕事をさせていただく中で感じていただき、そして評価いただけることは、とてもありがたいと思っています。

実際に、現在関与しているプロジェクトの例で申し上げますと、KDDI社とグループ会社、それぞれのメンバーの方々とセッションしながら進めていく必要がある場面が多くあります。和久さんがおっしゃっていたように、どうしても双方で業務のギャップが生じてしまうため、私たちが架け橋のような存在となることが求められていると思っています。そこで「常駐」という手段を最大限に活かし、今後も存在感と価値を発揮していきたいと思っています。
さらに精神的な部分で、「みなさんと同じ目線で実情を捉えている」ことを口だけではなく、行動を通じて伝え続けていきたいです。場合によってはグループ会社の方々にもご協力していただき、実際に業務一緒に進めていくこともあるのですが、私たちのことを理解していただき評価をしていただけているのはすごくありがたいと感じます。正直、コンサルタントとして現場に入ると疑心暗鬼な目で見られることも多いので…。

和久氏

そうですよね。コンサルタントの方が最初にいらっしゃると、実務の人たちはやっぱり敬遠します。いきなりやってきたコンサルタントに、「あなたの業務を教えてください」と言われ、話した内容に対して机上の感じで「このように改善した方がいいですね」ってご提案いただくのですが、具体的な実現方法までのご助言が、中々ないのです。結果を教えていただけるのですが、そこに向けたプロセスが曖昧なことがあります。同様の事例を他の企業で実現された手法があればぜひとも具体的に教えて欲しいのですが、他の会社さんも同じように机上で作られている場合、抽象的でわかりづらいこともあります。

一方で、エスネットワークスさんは、例えば給与のシステムをいろいろ選定してもらう際、要件をお伝えしたところ、相当細かくご確認いただいた上で、デメリットがこんなにありますよ、それでも覚悟して導入されますか、とおっしゃっていただいています。そのような提案ができるのは当社が求めるポイントを理解していただいているからだと思っています。メリットとデメリットの単なる比較だけでなく、運用上負荷がかかっても、要件にもとづいて推進するのであればやりましょう、ということや、どのシステムを選定しましょうかで終わりではなく、こう取り組むと将来こうなりますよ、とアドバイスまでいただけます。
我々の実務担当も、最初のうちは加藤さんに対して、システム導入のために「選定材料が本当にそろえられるかな?」と言っていましたけれど、今では、なかなかやりますね、と変わってきている状況でして、本当に助かっております。

インタビュアー

私のこれまでのイメージではコンサルタントというとスマート印象があるのですが、お話を伺っていると少し違うと感じています。エスネットワークスのコンサルタントには人の心に入り込んでくる、泥臭さのようなものもあったりするのでしょうか。

和久氏

はい、そうです。共感力や説得力のある方が多いのがエスネットワークス社の特徴だと思います。常駐が開始したころは業務の事実確認がほとんどなのですが、「このフローはおかしいと思われていませんか?」「ここに負荷がかかっていませんか?」と一緒に仕事をしながら考えながら言われると、徐々に心が開くのです。そうなると「しめた!」と懐に入りこんでいただけています。これを「泥臭い」と私たちは言っており、心を掴まれてしまっているポイントです。決してエスネットワークスの良いことばかり言いたいわけではないのですが、このような形でご支援いただくため信頼関係を結んだ上で、「一緒にやっていこう!」と考えが変わっていくのです。

「KCJグループ」の事例では、加藤さんにはシステムの導入に携わっていただき、さらに今後、他のグループ会社への導入準備にも役立たせようということで、「システム導入キット」も作っていただきました。その後、シェアードサービスとしてグループ会社から業務を受託してオペレーションを行っていきます。

システムが変わり、一気に業務改善を実現させることが一番望ましいのですが、今回は優先順位をつけながら徐々に実現させていくことになりました。上流工程で、各社が処理をする業務のプロセス改善は、業務を行いながら並行して行うと制約もあり時間がかかってしまうことが一般的です。そこで、各社の方に業務改善を提案できる部隊を別に組成して、加藤さんと推進してきました。一方、下流工程の受託業務部分はシェアード内部のオペレーション部隊で業務改善したいということもあり、吉野さんと推進してきました。
組織を分けて推進してきたので、どうしても連携不足が発生し、スタート当初は相当大変でしたが、徐々に落ち着いてきました。

加藤

もう少し詳細をお伝えすると、KCJグループ社のプロジェクトの内容は、会計システムのfreeeの導入と、導入キットを作成することでした。導入キットについては、KDDI社のグループ会社に対してシステムを導入する際に「フィット*」と呼ばれる基軸を作る支援です。

導入キットについて簡単に説明させていただくと、フィットとなるルールを定めること(システムを統合する際の基軸)と、システム導入の手順を定めています。その作成が、KCJグループ社でのプロジェクト内容でした。実際にプロジェクトを進めていくと、やはり上手くいかないことがありました。私たちの役割は当然ながらシェアードサービスの部署の中の方と連携させていただきながら、KCJグループさんと相対して、導入を進めていくことが実際の案件の進め方です。しかし、当時は多くの課題があって、私たちの力ではどうにもならないときは和久さんにも協力していただいて、間を取り持っていただくこともありましたし、今も助けていただくことが多々あります。
常駐をさせていただいたとしても私たちだけで全部が対応できるわけではないので、和久さんはじめKDDI社ののみなさまにご協力いただき、一緒に前に進めています。そのような仕事の進め方の面白さを、少しでも伝えられたのではと思えたプロジェクトでした。
※フィット:本プロジェクトの造語

クライアント対談|KDDI株式会社|コーポレート業務のDX化
シェアードサービスの将来について
インタビュアー

今後のシェアードサービスは、どのような形での運用を理想としているのでしょうか。

和久氏

まずはオペレーション業務を集約して統一します。そして、もう一つはガバナンスを強化することです。ガバナンスというのは、基本的にルールを統治するということなので、不正や不備の予兆を検知して、事前に防ぐことをいいます。こういった形のガバナンスも、シェアードが機能することで今後は効いてくると思っております。

シェアードを推進することによって、各社からいろんなデータが集まってきます。例えば、勤怠データがあれば、36協定に違反する、残業時間の規制を超えそうになる方がいれば、そのデータにより予兆して検知して各社にフィードバックしてあげて、「危ないよ」と注意喚起できるようになります。規模感の小さな会社などでデータがなかなか取れない、さらには作る機能も余力もない、という声もいただいておりますので、データベース化してチェックロジックを統一化、リアルタイムでフィードバックすることによってガバナンスが強化されますので、こういった取り組みも推進していきます。

インタビュアー

未来のシェアードサービス推進に向けて、エスネットワークスとして関わっていけること、考えていることはありますか。

吉野

KDDI社のシェアードサービスは、会計、経理の業務の集約から始まり、今は給与計算などもご支援させていただいています。給与PJについては、体制作りや方針を決めるといった、上流過程からご一緒させていただいています。今後は購買や、法務など他のコーポレートの業務軸で展開していくと伺っているので、引き続き体制構築からご一緒させていただき、シェアードサービスを横展開していきたいと思っています。その先でコーポレートの理想の未来を一緒に作っていきたいという想いも持っています。

和久氏

まさにシェアードというのは、今後も範囲が大きくなっていけると思っています。加藤さんにおっしゃっていただいたとおり、まずは経理から始まっていますけれども、それが今や給与・労務や購買も受託しております。そしてソーシングといった、価格交渉から仕入先与信などのガバナンス強化、パーチェシングといった、仕入のプロセスをチェックするという仕組みも強化できます。人事業務としては、採用のロジ回りもあります。コーポレートのオペレーション業務で共通的にできることは基本的には全部巻き取っていけると思っています。

今後さらに期待できることとして、例えば中途採用者など社員入社時に、業務用の携帯電話を支給しますが、この支給業務1つとってもコーポレートのオペレーション業務です。そのような業務にもどんどん範囲を広げていけます。さらに、将来的には営業部門のバックオフィス業務です。営業事務業務も実はオペレーション業務なので、こういったことも共通の業務であれば、どんどん広げることができます。今現在、シェアードで受託しているパイはまだまだ小さいため、他の分野含めて広げていくチャンスは大いにあると思っています。

そして、そのような複数の業務がシェアードとして確立できれば、将来的にはエスネットワークスさんと共に、外販で協業もできると期待しております
シェアード化できる業務が未来にわたってたくさんまだあるということで、私、ワクですけど、わくわくしながらこの業務はやっていけますし、少なくとも私がリタイアするまでは拡大していけるということで、ぜひ協業させていただきたいなと思っております。

インタビュアー

先ほどお話が出ていた外販や海外展開についてはエスネットワークスとして、どのように考えているのでしょうか。

加藤

外販のこともそうですし、シェアード業務を広げていくこともそうですが、カバレッジを広げていくことも含めてまだまだご一緒させていただきたいです。弊社が得意としている体制構築や制度設計、他には今も取り組んでいる実行支援を通じてスタッフの方々と一緒に前に進めていくご支援のスタンスは今後も変わらず取り組んでいきたいと思います。そして今後のKDDI社のコーポレートシェアの目標である、「ワンコーポレート化」に向けて、幅広い範囲のコーポレート業務を受託できる組織、そしてそれを支えるシステム、最適なシステムを導入できるようにご一緒できればと思っています。

インタビュアー

吉野さんはどのようにサポートされていきたいと考えていますか。

吉野

現状の支援内容が、まだ業務ごとの最適化にとどまっていることに私たちの課題を感じています。今後は「コーポレート業務」という大枠で捉え、全体の最適化も見据えたご支援を取り組んでいきたいと思っています。

そして、将来的には日本のコーポレート業務をリードするような仕組みを作り、それを外販していけるような形まで作りたいと思っています。そのために、まずは現在のご支援を通じて、理想のコーポレート業務を作ることを意識していきたいです。

和久氏

吉野さんの理想を、我々は「ヨシノの野望」と呼んでいます。KDDIのように組織が縦割りの場合、経理業務は経理業務、購買業務は購買業務と区分されているので、各部門最適で改善が検討されています。しかし、業務プロセスは物を購入してから支払が完了するまでの一気通貫ですから、本来はプロセス全体での最適を検討すべきですし、さらにKDDI本体だけではなく、KDDIグループ会社も同じオペレーション業務として併せて検討すべき、とおっしゃっています。「ノージョイント構想」として、一気通貫の最適化に向けて一緒に取り組んでいきます。

インタビュアー

楽しみですね。共に手を携えて、ますます広がりを見せていきそうだなというふうに思います。本日はありがとうございました。

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